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ドワンゴの呪い

ドワンゴの呪いって?
ドワンゴの自由度の高い社風や環境に慣れきった体で転職すると、業務以外の思わぬところで辛い思いをするということ。

この記事は転職(その2) Advent Calendar 2016の12月09日の記事です。 http://qiita.com/advent-calendar/2016/job2qiita.com

早いもので2016年も残すところあと3週間となりました。今年を振り返ってみると、自分を取り巻く環境が目まぐるしく変わり、多くの新しい経験をした年であったと思います。

1月に3年勤めた株式会社ドワンゴのエンジニアを退職するところから始まり、フリーランスになってからは同人作家向けの確定申告サービスを作り、超会議の経験を活かしてニジエ大運動会の企画運営を行い、株式会社DMM.comで亀チョクとして業務委託を受けたりしました。現在はWEBと全く関係のない事業会社で新規事業の立ち上げに携わっています。
そして恐らく今年最後の経験であるだろう痛風が昨夜発症し、のた打ち回りながらこの記事を書いているところです。

高校にしても大学にしても企業にしても、所属するということは少なからずその団体から影響を受けるものです。
自分にとっては社会人最初の企業となったドワンゴの影響は非常に大きく、その後様々な企業で席をいただく度にいろいろと比較をしてしまいます。
無意識に自分の中でドワンゴの社内環境や雰囲気が標準で当たり前になっていたことから、最近業務以外の部分で辛く感じることが増えてきました。

例を挙げると、現在の会社にある私のデスクはオープンタイプの長机なのですが、趣味がホットヨガだという丸の内のOL達に周囲を固められています。ドワンゴ時代のように机にフィギュアを置こうものなら、彼女達のヨガフレイムが炸裂しセクハラの内部通報を受けることになるでしょう。
他にも、同じ時期に入社した同期でアニメ好きだと豪語する営業男子と話してみると、好きなアニメにスラムダンクやワンピースを挙げていました。彼に「沼」という単語が通じなかったのは今年一番のショッキングな出来事です。
ドワンゴもDMMもWEBプラットフォームの会社であり、ネットやサブカルチャーと深く関わりがあることから、少なからず同僚達と趣味や話題が合ったものですが、それが当たり前だとは思ってはいけませんでした。
仕事をするために集まっているとは言え、文化的に近い人が周りにいないのは寂しいですね。

f:id:nalgami:20161208164817j:plain ドワンゴ時代の自席

例えば、ドワンゴ社内でアニメの話は休憩スペースやSlackでいくらでもできました。
社内Slackは5002500を超える豊富なチャンネルが存在し、テストやCIを回している間に様々なテーマの雑談を話せる場所がありました。

また、文化的な面だけでなく就業規則や福利厚生の面でも、今になって思えばかなり手厚いものがありました。
服飾規定は特になく、私はアロハシャツと短パン、サンダルとそのまま沖縄にでも行けそうな格好で歌舞伎座に通っていました。他にもアフロヘアの人やジャージ、忍者の格好で出勤する女性社員がいた気がします。 おかげでネクタイの結び方を知らずに社会人として生活できていましたが、今はスーツを着るシーンが多々あってなかなか息苦しい毎日です。

残業代を払わないために裁量労働にしつつ裏で定時が存在する企業が散見される中、ドワンゴは裁量労働を尊守している印象がありました。昼過ぎに出社する社員も多く、裏定時を設定するのではなく、女子マネ弁当制度などポジティブなアプローチを行う姿勢は非常に評価できます。
現在の会社も法令遵守を徹底している優良企業なのですが、一度裁量労働に慣れてしまうと、なかなか生活サイクルを定時に合わせることができません。

在籍時に「ドワンゴは日本のIT業界のセーフティネットである」という話を内外からよく耳にしました。
希有な技術力を持ちながら、何かしらの問題を抱えており、他社ではとてもじゃないがやっていけない人達が集まってくるそうです。企業としてはコンプライアンス違反や炎上リスクとのトレードオフではありますが、技術力が高く離職率の低い人材をゲットできるので双方Win-Winかもしれないですね。

IT業界には他にも自由度の高い会社が数多く存在するかと思いますが、そこから少しでも伝統的な会社に転職すると業務以外の思わぬところで躓きがあることが分かりました。これもまた今年得た知見のひとつです。ドワンゴに出戻り社員が多いのは、この自由度の呪いによるものかもしれません。

もし似たような自由度の高い会社に所属しているエンジニアの方で、転職を検討しているならば、待遇面など個々の条件だけでなく、全社的な社風や社内環境をよく精査し、自分のワークスタイルに適合するか慎重に検討してください。 歳を取れば取るほど、何年も続いた習慣を変えることは難しくなっていきます。